インター説明会で「親の英語は不要」と言われたら、一度立ち止まってください

プリスクールやインターナショナルスクールの説明会に参加すると、よくこんな言葉を耳にします。

「ご家庭での英語サポートは不要です」「親御さんが英語を話せなくても問題ありません」

英語に自信のない親にとって、これはとても心強い言葉です。「うちでも通わせられるかもしれない」と前向きになれた方も多いはずです。

ただ、インターナショナルスクールの入学要件を学校ごとに調べて比較していくと、この言葉には「親切」だけでは説明できない、もうひとつの意味があることがわかってきました。

この記事では、老舗インターと新設インターで「親への要件」がどう違うのか、そしてその違いが何を意味するのかを、公開情報をもとに整理します。説明会に参加する前の予備知識として、夜10分で読める形にまとめました。

※この記事は執筆時点の公開情報をもとにした調査・整理です。入学要件の最新情報は必ず各スクールの公式サイトでご確認ください。

目次

インターナショナルスクールの説明会で聞く「親の英語不要」とは

まず前提として、「親の英語は不要」というメッセージは、近年開校したインターナショナルスクールやプリスクールの説明会・公式サイトでよく見られるものです。

たとえば、2022年開校のCTIS(キャピタル東京インターナショナルスクール)。創立者の佐藤崇弘氏はメディアのインタビューで、既存のインターは親も子も英語が堪能でないと入れないと指摘したうえで、「大切なのは英語だけではありません」と語り、日本語で思考する力や日本人としてのアイデンティティを重視する方針を示しています。

出典:プレジデントオンライン「世界を見据えて日本人を育てる新たなインターナショナルスクール」(2023年6月)

英語に自信のない家庭にも門戸を開く、新しい教育観の提示です。これ自体に問題があるわけではありません。

ポイントは、歴史のある老舗インターが、これと正反対の方針を取っていることです。

老舗インターほど「親への要件」が厳しいという事実

都内のインターナショナルスクールを調べていくと、意外な共通点が見えてきます。歴史のある名門校ほど、子どもではなく「親」への要件が厳しいのです。

西町インターナショナルスクール(東京・元麻布、1949年創立)

受験専門機関のレビューによると、両親のうち少なくとも1人が英語でコミュニケーションできることが、事実上の入学条件として示されています。学校からの連絡・面談・行事案内はすべて英語で行われるため、保護者がそれを理解できることが前提になっているのです。

出典:Tokyo Academics「西町インターナショナルスクールのレビュー」

サマーヒルインターナショナルスクール(東京・元麻布、1970年代創立)

説明会に参加した親の声を集めると、集団説明会という形式は採用されておらず、園長との1対1の面談で入学希望家庭を見極めるという特徴があります。確認されるのは子どもの英語力ではなく、保護者の職業・学校行事への参加可能性・家庭の教育観。つまり、家庭そのものです。

整理すると、こうなります。老舗校が選んでいるのは子どもではなく、家庭。入口の段階で「家庭を選ぶ」ことに、かなりの手間をかけているのです。

「要件が厳しい学校」と「緩い学校」の経営構造の違い

では、なぜ老舗は親に厳しく、新設は間口を広げるのでしょうか。どちらが良い・悪いという話ではなく、経営の視点で見ると、まったく違う力学が働いています。

老舗校新設校
親への要件厳しい(英語力・面談あり)緩い(「親の英語不要」)
入口の設計家庭を選ぶ家庭を広く受け入れる
経営の力学コミュニティの質を守る生徒数を確保する

老舗校にとって最大の資産は、長年かけて築いた教育コミュニティの質です。家庭がコミュニティに参加できなければその質は守れないため、入口で家庭を選びます。顧客を絞ることが、ブランドを守る戦略になっています。

一方、新しく開校したスクールの最優先課題は、生徒を集めることです。「親の英語は不要」と言えば対象になる家庭は一気に広がります。事業として拡大したい学校にとって、合理的な設計です。

※あくまで構造の整理です。新設校の中にも教育の質が高い学校はあり、老舗だから良いという単純な話ではありません。

説明会で確認したい3つのポイント

この構造を踏まえると、説明会で見るべきポイントが変わってきます。ワーママ視点で整理すると、次の3つです。

1.説明会の形式は集団型か、個別面談型か

集団説明会は学校が自校をプレゼンする場、個別面談は学校が家庭を見極める場。形式そのものが、学校が保護者とどんな関係を築きたいかのシグナルになります。

2.親への要件を質問したときの答え

「親の英語は不要」と言われたら、一歩踏み込んで「学校からの連絡や面談はどの言語で行われますか」「保護者が参加する行事は年に何回ありますか」と聞いてみる。要件の緩さが教育設計から来ているのか、入口を広げる設計から来ているのかが見えやすくなります。

3.その言葉は誰のための設計か

説明会で聞く言葉の多くは、教育方針であると同時に経営方針でもあります。「わが子のための教育設計から出た言葉か、生徒を集めるための入口設計から出た言葉か」。この2つを分けて聞けるようになると、スクール選びの解像度は大きく変わります。

まとめ|老舗には、もっと大きな「逆説」がある

ここまで読んで、こんな疑問が浮かんだ方もいるかもしれません。「なぜ老舗は、家庭を選べるほど余裕があるのか?」

調べていくと、その答えは意外な場所にありました。実は、老舗の名門インターほど、無理に高校まで一貫させてこないのです。逆に、新設のインターほど、幼稚園から高校までの一貫化を急速に進めている。この逆説にこそ、インターナショナルスクールという業界の構造が凝縮されていました。

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※本記事は執筆時点の公開情報をもとに作成しています。入学要件・学費等の最新情報は、必ず各スクールの公式サイトでご確認ください。

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