この記事では、首都圏の私立小学校受験を想定し、年中(4歳クラス)から年長(5歳クラス)の本番まで、いつ・何をやるかを月別に整理しました。「いつから始めればいいのか」「説明会・願書・考査はいつか」を、準備の流れに沿って確認できます。
願書の書き方や面接のコツといった対策論ではなく、動く順番とタイミングのロードマップとしてまとめています。ブックマークして、学年が上がるごとに見返してください。
※本記事は執筆時点の公開情報をもとにした一般的な整理です。入試日程・出願方法・面接形式は年度や学校によって変わります。具体的な日程・要項は必ず各校公式でご確認ください。

まず全体像|首都圏は「エリアと学校で本番の時期が分散する」
逆算の前に、ひとつ前提を共有します。首都圏といっても、本番の時期は一律ではありません。公開されている入試日程や各校公式を整理すると、おおまかにこういう構造です。
- 東京の有名私立小:名前のよく知られた学校の多くは、慣例的に11月1日前後(11月1〜6日ごろ)に考査が集中する
- 東京でも10月実施の学校がある:すべての東京の私立小が11月以降ではなく、10月に考査を行う学校もある
- 埼玉・千葉:東京の有名校より早く、9〜10月に考査を行う学校が多い
- 神奈川:学校差が大きい。9〜10月の学校もあれば、慶應横浜初等部など主要校は11月に実施する
- 国立小(筑波・お茶の水・学芸大附属など):私立とは別軸。抽選→考査→抽選という段階を踏み、合否が確定するのは11月末〜12月下旬。希望者が多いと抽選が入る
なお「東京の私立小は11月1日解禁」と言われることがありますが、業界団体の公式サイト上に制度としての明文は確認できませんでした。あくまで慣行として11月1日前後に集中している、と捉えるのが正確です。
ポイントは「首都圏=一斉に11月本番」ではなく、エリアと学校で考査日が分散していること。この分散が、後半の併願設計に効いてきます。
【年中編】基礎と情報収集|準備には二つの「起点」がある
最初の動きは、ほとんどの家庭で「幼児教室を選ぶ」ところから始まります。ここで知っておきたいのが、準備開始には二つの層がある、ということです。
ひとつは、幼児教室のカリキュラム上の起点。大手の幼児教室は、新年度を「年少期の11月」に置いているところが多く、年中向けコースはそこから翌年の入試までの約1年サイクルで組まれています。
もうひとつは、家庭側の動き出し。難関校・人気校を視野に入れる家庭は、年中の春(あるいはそれ以前)から早めに動きます。ある大手教室の公開データでは、9割以上の家庭が年中の秋までに準備を始めているとされています。
早く動く家庭が有利になるのは、気合いの差ではなく構造的な理由です。人気教室の年中クラスは早い段階で満席・キャンセル待ちになるケースがあり、また集団での振る舞いや指示を聞く姿勢のような力は、短期間では育ちにくい。年長からのスタートは全体の数%にとどまり、「不可能ではないが、準備期間とカリキュラムの面で不利になりやすい」というのが各社に共通するトーンです。
年中の前半:幼児教室を選ぶ・基礎を始める
- 複数の幼児教室の説明会・体験授業に参加する
- 週1〜2コマのペースで通い始める
- 数量・言語・図形・記憶などの基礎分野に触れ始める
年中の中盤:志望校の候補をリストアップ
- まず通学可能エリアで絞る(通学時間の目安は30〜60分以内)
- 共学・女子校・男子校のどれを軸にするか考え始める
- 附属大学の有無・校風・教育理念などテーマで分類する
学校説明会には注意点があります。人気校の説明会は予約制・定員ありで、「行きたいと思ったら満席」が頻繁に起きます。志望候補が挙がったら、各校の申込開始日を早めにチェックしておくのが安全です。
年中の後半〜年長前:基礎固めと本命の絞り込み
- ペーパー(数量・図形・言語・常識・記憶)で苦手分野を早期に把握する
- 制作の基礎(はさみ・のり・折り紙・紐結びなど)を日常の遊びに取り入れる
- 志望校を本命数校に絞り込み、家庭の教育方針を夫婦で言語化し始める
【年長編】志望校対策と出願|学校側のスケジュールが動き出す
年長に入ると、学校側の説明会・出願が一気に動き始めます。
年長4〜5月:説明会の本シーズン
多くの学校が説明会・見学会を開くシーズンです。本命校はこの時期を逃さないようにします。この時期を逃すと、次の機会が秋以降や試験直前になることがあります。
年長6〜7月:模試で弱点把握・補強
- 幼児教室の模擬試験を受け、初めての環境での実力を測る
- 苦手分野を残り数ヶ月で何を強化するか方針を決める
年長8月:願書の準備を始める
願書関連は、配布・販売の開始時期と、出願受付の開始日を分けて考える必要があります。願書の配布・販売は夏前から始まる学校もあり(6月に販売を始める学校もあります)、一方で出願受付は9〜10月に集中する学校が多い、という構造です。8月は願書を入手し、記入内容を練り始める準備期間にあたります。
- 記入ミスに備えて、1校につき複数枚準備する
- 「志望理由」「家庭の教育方針」を下書きしてから清書する
- 夫婦で内容を共有しておく
年長9〜10月:出願手続き
- 東京・神奈川の主要校は、出願受付が9月に始まり10月初旬に締め切られる流れが多い
- 埼玉・千葉には、東京より早く8〜9月から出願・面接が始まる学校がある(早い学校では8月に親子面接、9月に考査)
- 学校ごとに出願方法(Web・郵送・窓口)や提出書類、期日が異なる
- 幼稚園・保育園の調査書が必要な学校は、園側の記入に時間がかかるため早めに依頼する
- 複数校を受けるなら、全校の期日をカレンダーに書き出して管理する
なお面接は、考査当日に行う学校だけでなく、考査日とは別日に先行して実施する学校もあります(10月に保護者同伴面接を行う学校など)。考査日だけでなく面接日も含めてスケジュールを管理する必要があります。
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【本番〜手続き】秋の短期決戦|エリア差が効いてくる
ここが、エリアと学校のズレが効いてくる局面です。
埼玉・千葉や東京の一部の学校が早い時期に、東京・神奈川の主要校が11月に集中するため、考査日が重なって「同時には受けられない」組み合わせが出てきます。どの学校とどの学校が併願できるのかは、要項が出る前にざっくり把握しておかないと、本番直前に選択を迫られます。
※どの学校同士が併願できるかは、年度ごとの考査日によって変わります。各校の要項公開後(例年9月頃)に、必ず最新の日程表で確認してください。
合格後も気を抜けません。
- 首都圏の主要私立小では、合格発表は考査の翌日〜1週間以内に行われる例が多い
- 複数校に合格した場合の入学手続き期日は短く、学校によっては発表の翌日〜数日以内に入学金の納入が必要になる
- 入学金・施設費を指定期限内に納めないと、入学辞退扱い・入学資格喪失となるのが一般的な運用(ただし公式サイトに明文がある学校は限られるため、合格後の書類で確認)
- 補欠からの繰り上がりは、電話・郵送・Webなど学校によって連絡方法が異なり、短時間で返答を求められる例もある。発表後はすぐ判断できるよう家庭で方針を決めておく
「複数受かったら、どこを優先するか」は、本番前に家庭で決めておくのが安全です。
後悔しないための注意点
最後に、スケジュール全体を通じて押さえておきたい点を整理します。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 幼児教室は早めに動く | 人気教室の年中クラスは満席・キャンセル待ちになることがある |
| 説明会は「参加=意思表示」と考える | 来校回数や行事参加を重視する学校がある |
| 願書は家庭の教育観を文章化する書類 | 面接の土台になる。夫婦で共有し複数の目で見直す |
| 面接日も含めてスケジュール管理する | 考査日とは別日に面接を行う学校がある |
| 子どもにプレッシャーを与えすぎない | 行動観察では自然な姿が見られる |
| 本番後の「もう一つの選択肢」も用意 | 補欠・追加募集なども想定し、家庭の方針を秋前に決めておく |
まとめ|スケジュールの要点
首都圏私立小の準備スケジュールの要点は、次のとおりです。
- 本番の時期はエリアと学校で分散する(東京の有名校は11月1日前後/東京にも10月校/埼玉・千葉は9〜10月/神奈川は学校差/国立は12月下旬まで)
- 幼児教室の新年度は年少期11月起点が多く、9割以上の家庭が年中の秋までに動き出す
- 説明会は年長の春、願書・出願は夏〜秋、考査・合格発表・入学手続きは秋に集中する
スケジュールと並行して、費用の見通しも早めに立てておくと安心です。幼児教室から入学後の学費まで、学校ごとにかかる金額はかなり違います。各校の費用と進学の中身については、別の記事・資料でまとめています。
各校の費用と進学の中身を一次情報で調べた内容は、別の記事・資料でまとめています。あわせてご覧ください。
このスケジュールは首都圏私立小学校受験の一般的な流れを整理したものです。各校の具体的な試験内容・出願時期・面接の形式は年度によって変わります。最終的な日程・要項は、必ず各校の公式募集要項でご確認ください。
