※この記事は、運営者がインターナショナルスクールへの入学を検討した経験を踏まえ、インター卒業生の進学事例・各大学の公式入試要項・教育コンサルタントのインタビュー記事を統合してまとめた調査キュレーション記事です。進路選択は個別性が高く、最新情報は各教育機関の公式サイトでご確認ください。
※この記事には一部プロモーション(広告)が含まれます
「インターに通わせたら、そのあと日本の大学に行けるの?」
「国際バカロレアがあれば大丈夫って聞くけど、本当?」
インターナショナルスクールを検討するとき、一番見落とされがちで、一番重要なのが「卒業後の進路」です。学費や英語力の話は盛り上がるのに、「で、高校を卒業したあとどうなるの?」という話になると、情報がぐっと少なくなります。
実はここには制度上のややこしさがあります。日本の多くのインターナショナルスクールは「一条校」ではないため、そのまま日本の大学を受験できるとは限らないんです。一方で、国際バカロレア(IB)という資格を取れば、日本国内の大学でも入学資格として認められます。
今回は、一条校・IB認定・大学入学資格という3つのキーワードを整理して、「インター卒業後、実際に進路はどうなるのか」を現実的に見ていきます。夜10分、少し制度の話をお届けします。
そもそも「一条校」って何?
まず基礎として、「一条校」という言葉を押さえます。
一条校とは、学校教育法第1条で定められた正式な学校のこと。具体的には、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学・高等専門学校などが含まれます。
公立の小中学校、多くの私立学校は一条校です。ここを卒業すると、日本の義務教育を修了したことになり、そのまま日本の大学を受験する資格が得られます。
一方、日本にある多くのインターナショナルスクールは一条校ではありません。「各種学校」や「無認可校」に分類されるケースが多く、自動車教習所や予備校と同じ法的カテゴリーです。
ここがポイント。インターを卒業しても、自動的に「日本の高校を卒業した」とはならないのです。では、大学受験はどうするのか?
日本の大学受験資格を得る4つのルート
文部科学省が定める大学入学資格のうち、インターナショナルスクール生に関係するのは主に以下の4つです。
| ルート | 内容 |
|---|---|
| ①一条校の高校を卒業 | 日本の一般的な高校を出るルート。一条校のインターもここに含まれる |
| ②国際バカロレア(IB)資格を取得 | IB認定校でDP(ディプロマ)を取得すれば、日本の大学受験資格あり |
| ③国際的な評価団体の認定校を卒業 | WASC・CIS・ACSI・NEASC・Cognia等の認定を受けた学校の12年課程修了 |
| ④高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)を受験 | いわゆる「高卒認定」。年2回実施され、16歳以上で受験可能 |
出典:文部科学省「大学入学資格について」
つまり、一条校以外のインターに通う場合は、②③④のいずれかのルートで大学受験資格を確保する必要があるということです。
国際バカロレア(IB)という選択肢
ここで登場するのが国際バカロレア(IB)。インター検討家庭にとって、最もメジャーな大学受験資格になります。
IBの4つのプログラム
IBには年齢別に4つのプログラムがあります。
- PYP(プライマリー・イヤーズ・プログラム):3〜12歳
- MYP(ミドル・イヤーズ・プログラム):11〜16歳
- DP(ディプロマ・プログラム):16〜19歳
- CP(キャリア関連・プログラム):16〜19歳
このうち、大学受験資格として直接使えるのは「DP」です。16〜19歳(高校年代)の2年間でDPを履修し、最終試験で所定のスコアを取ると、国際バカロレア資格が授与されます。
日本のIB認定校は何校あるか
文部科学省IB教育推進コンソーシアムのデータによると、日本のIB認定校は約249校(令和6年6月時点)。そのうち一条校は79校あります。
世界では約6,000校あるので、日本の割合はまだ少なめ。ただし、ここ数年で急増しており、文科省も推進しているので、今後もっと選択肢は広がると予想されます。
IB入試を実施している主要大学
国内では以下のような大学がIB入試を実施しています(2025年時点の一例)。
- 東京大学、京都大学、大阪大学などの国立大学
- 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)などの私立大学
慶應義塾大学のIB入試の出願条件を見ると、「国際バカロレア事務局から国際バカロレア資格を授与された者」「日本国内の高校またはインターでDPを修了した者」などが明記されています。DPの最終スコアに加えて、TOEFLまたはIELTSのスコア提出が必要なケースも多いです。
出典:慶應義塾大学「国際バカロレア(IB)入試」
知っておきたい「落とし穴」
ここからがリアルな話です。検討の前に知っておいてほしいポイントを3つ。
①インターのIB認定状況は学校ごとに違う
「インター=IBが取れる」と思われがちですが、実際にはDPを実施していない学校もあります。
日本でDP認定を受けているインターは限られており、特に新興のインターナショナルスクールは、まだDPの一期生が卒業していないケースもある。学校のパンフレットに「IB認定」と書いてあっても、PYPやMYPだけで、DPは今後実施予定、という学校も珍しくありません。
検討時は「DP認定校かどうか」まで確認するのが必須です。
②IB資格だけでは受験できない大学も多い
大学側の入試制度が「IB入試」を実施していない場合、IB資格を持っていても一般入試の対象にならないケースがあります。
特に地方の私立大学や、一部の学部では、IB入試の受け入れ枠が用意されていないこともあります。志望大学が決まったら、必ず募集要項でIB入試の有無を確認してください。
③海外大学への進学は「別の準備」が必要
「IBがあれば海外の大学に行けるから安心」と思う方もいますが、アメリカの大学ではIB資格を入学資格として認めていないところがほとんどです。IBに加えてSATやACTといった米国独自の学力テストを受ける必要があります。
イギリス・カナダ・オーストラリアなど英連邦圏の大学はIBを積極的に受け入れる傾向がありますが、国によって事情は違います。海外進学を視野に入れるなら、志望国の大学入試制度を早めに調べておくことが欠かせません。
一条校のインターという選択肢
実は、インター選びで最近注目されているのが「一条校として認可されたインター」です。
一条校のインターに通うと、日本の高校卒業資格とIB資格の両方を取得できるため、進路の選択肢が一気に広がります。
- 日本の大学の一般入試
- 日本の大学のIB入試・総合型選抜
- 海外の大学
- AO入試・推薦入試
一条校のIB認定校は日本で79校。数は限られていますが、「インターに行かせたいけど、進路の不安も減らしたい」という家庭にはぴったりの選択肢です。
検討中のインターが一条校かどうかは、学校のパンフレットや公式サイト、または東京都・文部科学省の認可一覧で確認できます。
わが家の準備:中長期のプランニングが必須
ここまで整理してきた通り、インター選択は「高校を卒業したあとの進路」まで見据えた逆算が大切です。
最低限、以下は早めに確認しておくべきポイント:
- 検討中のインターがDP認定校か?
- DPの卒業実績(第一期生は出ているか、進学先は?)
- 志望する大学のIB入試の有無
- 海外大学を視野に入れる場合、志望国の受験資格
- 家庭の教育費計画(15年間で2,000万円〜の学費に対応できるか)
正直、ここまで調べるのはママ一人では大変です。ファイナンシャルプランナー(FP)に相談して、教育費のライフプランを作ってもらうのもひとつの手です。保険の見直しと併せて無料で相談できるサービスもあります。
「わが家の収入で15年払い続けられるか」「老後資金は大丈夫か」「きょうだいの学費も含めてどう配分するか」——こうした長期のお金の設計は、プロと一緒に整理すると見通しがクリアになります。
▼PR

まとめ:制度を知ることは「選択肢を広げる」こと
インターの進路問題、整理すると以下のようになります。
- 一条校以外のインター卒業→そのままでは日本の大学は受験できない
- IB資格(DP)を取れば、日本の大学のIB入試で出願可能
- 海外大学はIBだけではカバーできないケースもある
- 一条校のインターなら、両方の卒業資格が取れて進路の幅が広い
- 新興インターは進路実績がまだ出ていない学校も多い
制度を知ると「怖い」と感じるかもしれません。でも逆に言えば、知っておけば、ちゃんと準備できるということ。情報を早めに集めて、家庭で話し合う材料にしてみてください。
わが家も、実はここまで制度が複雑だとは思っていませんでした。調べれば調べるほど、「インターに行かせる=ラクに海外志向になれる」ではなく、むしろ積極的に準備と情報収集が必要な選択肢だと実感しています。
あくまで一般的な制度の整理であり、個別の進路については必ず学校・各大学の公式情報をご確認ください。
進路を見据えた学校選びのために
この記事では、一条校・IB認定・大学入学資格の違いを整理しました。
進路の制度的な違いを理解した次のステップは、「実際にどの学校なら、自分の家庭の進路設計に合うか」を見極めることです。
別途noteで、都内主要インター12校のカリキュラム別分類、卒業生の進路実績、第一期卒業生がまだ輩出されていない新設校の見極め方を、約24,000字+PDF3種で整理した完全版レポートを公開しています。
▼noteで読む(1,480円)

「制度を理解した上で、自分の家庭の出口を意識した学校選び」をしたい方に。
関連記事:
- インターナショナルスクールの学費、15年で本当はいくら?
- インターに行かせるか、公立+英語教室か|わが家の時給と家庭条件で年間コストを計算してみた
- 子どもの英語、何歳から始める?母語とのバランスで考える現実解
参考資料(一次ソース):
- 文部科学省「大学入学資格について」
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム「認定校・候補校」
- 慶應義塾大学「国際バカロレア(IB)入試」
