学資保険のリアル2025|加入率38.4%まで下がった理由と、家庭ごとの判断軸を調べてみた

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「学資保険、入った方がいいの?それともNISAでいいの?」

子どもが生まれた前後、ワーママのあいだでよく出てくる悩みです。

リサーチしてみると、「学資保険=子どもが生まれたら入るもの」とは一概に言えない状況になっていることがわかります。この10年で学資保険を取り巻く環境は大きく変わっているのです。

今回は、最新データをもとに「学資保険が向いている家庭・慎重に考えたい家庭」を、年収・住宅ローン・教育方針の3つの判断軸で整理してみます。

目次

結論:学資保険の加入率は10年で約22ポイント減少している

まず、現状のデータから見ていきます。

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2025」によると、子どもの教育資金の準備方法として学資保険を選んでいる家庭は38.4%でした。

そして、過去10年の推移を見ると、こうなっています。

■ 学資保険の加入率の推移(教育資金準備方法として選んだ割合)
・2015年:59.5%
・2016年:60.6%(ピーク)
2025年:38.4%

出典:ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2015、2025」

ピークの2016年(60.6%)から、わずか9年で約22ポイント減少しています。これは無視できない変化です。

なぜ加入率が下がっているのか。理由は4つあります。

加入率が下がっている4つの理由

理由①:途中解約で元本割れするリスクが知られてきた

学資保険は、契約期間の途中で解約すると、これまで払い込んだ保険料の総額を下回る「元本割れ」が起きることがあります。

たとえば、契約から5年で解約した場合、戻ってくる解約返戻金は払い込み総額の70〜80%程度というケースが多いとされています。

子どもが生まれた直後は「絶対に途中で辞めない」と思っていても、実際には住宅購入・転職・離婚・親の介護など、家計が大きく変わる出来事が15〜18年の間に起きる可能性は決して低くありません。

理由②:NISAなど、別の選択肢が広がってきた

2024年から始まった「新NISA」(少額投資非課税制度)の影響も大きいです。

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2025」によると、教育資金の準備方法として「資産運用(株式投資・投資信託・NISAつみたて投資枠など)」を選ぶ家庭は24.1%にまで増えています。

新NISAは年間投資枠が大幅に拡大され、教育資金の準備手段として注目されるようになりました。投資信託やETFといった選択肢も広がり、保護者が情報を集めやすくなっています。

ただし、投資商品は元本保証がなく、市場変動のリスクがあります。「絶対に減らしたくない」のか「変動を許容して柔軟性を取るか」で、選び方が変わります。

理由③:すでに生命保険に加入している家庭が多い

学資保険には「契約者(親)が亡くなったときに保険料の払い込みが免除される」という保障機能があります。

しかし、すでに父親または母親が生命保険・収入保障保険に加入している場合、学資保険の保障部分は重複する可能性があります。保障内容が重複している場合、保険料負担が必要以上に大きくなる可能性があるため、加入を見送る家庭が増えています。

理由④:18年スパンの不確実性が大きすぎる

ここは、調査を進める中でもっとも見落とされがちな視点でした。

学資保険は、契約から満期まで15〜18年という長期にわたって、ほぼ固定のリターンで運用される商品です。

ただ、この10年で日本を取り巻く経済環境は大きく変化しました。

■ この10年で起きた経済環境の変化
・日銀のインフレ目標2%が継続(生鮮食品を除く消費者物価指数は2023年から2%超で推移)
・為替は2020年の1ドル105円台から、2024年には一時160円台へ。2026年5月時点でも1ドル157円前後で推移(約50%の円安水準が継続)
・教育費自体もインフレ傾向:私立大学の授業料は中長期的に上昇傾向

出典:総務省「消費者物価指数」、日本銀行「金融政策」、文部科学省「私立大学等の授業料等の調査」

つまり、学資保険で200万円を積み立てても、18年後の200万円が今の200万円と同じ価値があるとは限らないということです。

加えて、AI技術や働き方の急速な変化で、子どもが大学生になる15〜18年後の社会は、今と大きく違う可能性があります。学費の構造、働き方、留学の意味、すべてが変わっているかもしれません。

このような時代背景の中で、「途中で柔軟に方針変更できない学資保険1本」だけで教育資金を準備することのリスクが、保護者のあいだで意識されるようになっています。

教育資金準備方法のリアル【2025年最新】

学資保険以外も含めて、家庭は何で教育資金を準備しているのでしょうか。

■ 子どもの教育資金準備方法(複数回答・2025年)
・銀行預金:54.3%(最多)
・学資保険:38.4%
・資産運用(NISA等):24.1%
・財形貯蓄:13.4%
・(学資保険以外の)生命保険:10.0%

出典:ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2025」

銀行預金が最多で、学資保険や資産運用を併用する家庭もあります。複数の手段を組み合わせるのが今のスタンダードになりつつあります。

学資保険の月々の保険料はどのくらい?

加入を検討する場合、月々いくら払うのが現実的なのでしょうか。

月々の保険料は、商品・払込期間・受取額によって大きく変わります。教育資金準備の支出額は月1万円〜2万円前後になるケースが多いため、無理なく続けられる金額か確認が必要です。

つまり、加入する場合は月1〜2万円前後の支出が15〜18年続くという前提で家計を見ることになります。

2025〜2026年、学資保険の返戻率は上がっている

実は、ここ数年で学資保険の返戻率(払い込んだ保険料に対して受け取る金額の割合)は、改善傾向にあります。

理由は、金利環境の変化です。日本生命は2025年1月に予定利率を1.00%に引き上げ、明治安田生命は2025年4月の改定で予定利率を1.50%から1.75%に引き上げました。

その結果、各社の返戻率は以下のような水準まで上がっています。

■ 2025〜2026年の主要学資保険の返戻率(最高水準)
・明治安田生命「つみたて学資」:最高約129.2%
・ソニー生命「学資金準備スクエア」:最高約127.4%(2026年4月以降の契約例)
・フコク生命「みらいのつばさ」:返戻率はプランにより異なり、2026年商品では約131.3%の契約例あり
・日本生命「ニッセイ学資保険」:プラン次第(公式シミュレーション要確認)
・JA共済「こども共済」:プラン次第(公式商品ページ要確認)

出典:各社公式サイト(2026年4月時点)

近年の金利環境を受け、返戻率が改善している商品が増えています。

ただし、これらの最高返戻率は「契約者30歳・子ども0歳・保険料一括払いまたは年払・10歳で払込完了・22歳満期」など、特定の条件で実現される数字です。実際の家庭では、月払・分割受取で返戻率は数ポイント下がるのが一般的です。

重要な視点: 返戻率129%が魅力的に見えても、18年後にインフレで物価が25〜30%上がっていれば、実質リターンはほぼ相殺される計算になります。返戻率の数字単独ではなく、インフレ環境での実質的な価値で見る視点が大切です。

学資保険、何歳まで入れる?

意外と知られていないのが、子どもの年齢上限です。

■ 主要学資保険の加入可能な子どもの年齢(公式情報・2026年時点)
・ソニー生命「学資金準備スクエア」:0〜3歳
・明治安田生命「つみたて学資」:0〜6歳
・フコク生命「みらいのつばさ」:0〜7歳
・JA共済「こども共済」:プランにより異なる

子どもが3歳を過ぎると、加入できる学資保険の選択肢が一気に絞られます。「いつか考えよう」と先送りすると、選べる商品が減るのは知っておくべきポイントです。

学資保険が向いている家庭・慎重に考えたい家庭の判断軸

ここからが、この記事の核心です。

調査と公開情報を整理すると、家庭ごとの判断は、世帯年収・住宅ローン・教育方針の3つの軸で見極められます。

軸①:世帯年収

ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2025」では、世帯年収600〜800万円未満の層で、学資保険の選択率が45.2%と高くなっています

この年収帯は「貯蓄に回せる金額が限られているが、強制的に積み立てる仕組みがあれば確実に貯められる」という家計構造に学資保険がフィットしやすいゾーンです。

世帯年収1,000万円以上の家庭でも学資保険を選ぶケースは約42%ありますが、それと並行して資産運用の選択率が他の年収層より高くなる傾向があります。選択肢の幅が広がるため、学資保険1本ではなく分散して準備する家庭が多いと言えます。

世帯年収400万円以下の家庭は、月1〜2万円の固定支出が家計を圧迫する可能性があるため、学資保険より児童手当の積み立てや少額のNISAから始めるのが現実的かもしれません。

軸②:住宅ローン

住宅ローンを抱えている家庭は、学資保険の加入を慎重に判断したいところです。

理由は、住宅ローンの団信(団体信用生命保険)には、すでに「契約者の死亡時に住宅ローンが消える」保障機能が含まれているためです。

学資保険の保障部分(契約者死亡時の払込免除)と団信が一部重複する可能性があるうえ、住宅ローン返済中は家計のキャッシュ余力が限られます。

一般的な家計目安として、住宅ローン返済額が手取り収入の25%を超えている場合、学資保険の月1〜2万円が家計の重荷になりやすく、途中解約のリスクが高まる可能性があります。

軸③:教育方針

ここが、もっとも見落とされがちな軸です。

子どもをどんな教育環境で育てるか」によって、必要な教育資金の総額が大きく変わります。

■ 教育方針別の総教育資金(幼稚園〜大学までの概算試算)
・幼稚園〜大学まで全部公立:約800〜1,000万円
・幼稚園〜大学まで私立:約2,000〜2,500万円
・インターナショナルスクール(15年):年間費用が幅広く、年200〜500万円なら15年で約3,000〜7,500万円規模

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」と大学費用の各種統計を統合した概算。実際の総額は家庭ごとに異なります。

学資保険の満期受取額は、200万円前後の設計例も多い水準です。これは「全部公立」を想定した金額として位置づけられます。

つまり、インター進学を視野に入れている家庭にとって、学資保険1本では教育資金として不足する可能性が高いことになります。学資保険+NISA+預貯金など、複数の手段の組み合わせが必要になります。

学資保険が向いている家庭

ここまでの整理をまとめると、学資保険に向いている家庭は次のような特徴があります。

■ 学資保険が向いている家庭の特徴
・世帯年収500〜900万円台
・住宅ローン返済額が手取り収入の25%以下
・子どもの教育方針が公立中心または私立小中まで
・自分で投資判断するのが苦手で、強制的な積み立て方式が合う
・市場変動のリスクはできるだけ避けたい
・契約者(親)に万が一があった場合の保障も欲しい
・15〜18年間、確実に途中解約しない自信がある

学資保険を慎重に考えたい家庭

逆に、学資保険を慎重に判断したい家庭は、こういう特徴です。

■ 学資保険を慎重に考えたい家庭の特徴
・世帯年収1,000万円以上で、NISA・終身保険などの選択肢を併用したい
・すでに父母どちらかが手厚い生命保険に加入している
・住宅ローン返済中で家計に余力が少ない
・インター進学を視野に入れていて、200万円前後では不足する可能性が高い
・自分で投資判断ができ、市場変動を許容できる
・ライフプランの変化(転職・転居・離婚など)が予想され、柔軟性を確保したい
・インフレ・円安など経済環境の変化に対応できる方法を選びたい

家庭で確認したい3つの問い

学資保険に入るかどうかは、夫婦で次の3つの問いに答えてから決めるのがおすすめです。

1.我が家の世帯年収・住宅ローン状況は、どのゾーンか?
2.子どもをどんな教育環境で育てたいか?必要な教育資金の総額は?
3.15〜18年間、確実に途中解約せずに続けられる家計の余力があるか?

この3つに答えると、自分の家庭に学資保険が合うかどうかが見えてきます。

自分の家庭に合うか確認する方法

学資保険に入るべきかどうかは、家庭の年収・住宅ローン・教育方針によって大きく変わります。

自分の家庭にとって、学資保険・NISA・終身保険のどれが最適か」を判断したい場合は、無料のFP相談サービスを活用するのも一つの選択肢です。

複数の保険会社の商品を比較してくれる中立的な相談窓口なら、特定の商品を売り込まれず、家庭の状況に合わせた提案を受けられる場合があります。

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まとめ:学資保険は「家庭の状況」と「時代の変化」で決まる

最後にもう一度整理します。

■ この記事のまとめ
・学資保険の加入率は2016年60.6%から2025年38.4%へ約22ポイント減少
・減少の理由は、元本割れリスク・NISAの登場・生命保険との重複・18年スパンの不確実性
・2025〜2026年は金利環境の改善で返戻率が上昇中(最高約129〜131%)
・ただしインフレ・円安が続く環境では、固定リターンの実質価値は目減りする可能性
・向いている家庭は、年収500〜900万円・住宅ローン軽め・教育方針が公立中心
・慎重に考えたい家庭は、年収1,000万円以上・既存生命保険あり・インター志向

学資保険は「みんな入っているから入る」「親に勧められたから入る」で決めるものではなくなっています。

家庭の状況、教育方針、家計の余力、そして18年後の社会がどうなっているかという時代の不確実性まで踏まえて、夫婦で握ったうえで判断するのが、判断しやすい考え方です。


さらに深く検討したい方向け

この記事では、学資保険が向いている家庭・慎重に考えたい家庭を整理しました。

ただ、教育方針の軸まで踏み込むと、その先には「うちの子をインター・私立・公立のどこに導くか」という、もっと大きな判断があります。年間200万円の学資保険か、年間500万円のインターか、では、必要な家計設計がまったく違うからです。

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【参考資料】
・ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2025」
・公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」
・文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」(2024年12月公表)
・総務省「消費者物価指数」(2025年最新版)
・日本銀行「金融政策」公表資料
・明治安田生命「つみたて学資」公式
・ソニー生命「学資金準備スクエア」公式
・フコク生命「みらいのつばさ」公式
・日本生命「ニッセイ学資保険」公式
・JA共済「こども共済」公式

【免責事項】
本記事の内容は、執筆時点(2026年5月)の公開情報をもとに整理したものです。返戻率・予定利率・加入条件・為替動向・経済環境は今後変動する可能性があるため、最終的な加入判断は必ず各保険会社の最新情報・ファイナンシャルプランナーへの個別相談で確認してください。本記事は判断材料の整理を目的としたものであり、特定の保険商品や投資商品を推奨するものではありません。

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