※この記事は、運営者がインターナショナルスクールへの入学を検討した経験を踏まえ、複数校の公式学費資料・公的データ・教育費専門家の記事を統合してまとめた調査キュレーション記事です。学費は年度・為替・物価により変動します。実際の検討時には、必ず各校の最新の公式情報をご確認ください。あくまで判断材料の一つとしてご活用いただければ幸いです。
「インターナショナルスクールに通わせたら、うちの家計で大丈夫かな」
最近、インターナショナルスクールへの関心が高まっています。2020年から小学校3年生で英語の授業が始まり、英語教育への関心が一気に高まったのが大きな理由のひとつだそうです。
でも正直なところ、インターの学費って「高そう」「住む世界が違う」というぼんやりしたイメージだけで、具体的にいくらかかるのか、公立や私立とどれくらい違うのか、ちゃんと調べたことがある人は少ないのではないでしょうか。
今回は文部科学省の最新データをもとに、公立・私立・インターの15年間の学費を並べて比べてみました。結論からお伝えすると、学費の差は想像以上に大きかったけれど、「だから焦らなきゃ」ではないんです。
夜10分、コーヒー片手に読んでみてください。
公立・私立・インターの学費を15年で比べてみた
まずは文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」(2024年12月公表)から、公立と私立の学習費を見てみます。
幼稚園から高校までの15年間で保護者が支払う学習費総額は、以下のとおりです。
| 進学パターン | 15年間の学習費総額 |
|---|---|
| すべて公立 | 約542万円 |
| すべて私立 | 約1,599万円 |
※出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
私立を15年通すと、公立のおよそ3倍。これでもびっくりしますが、ここにインターが加わるとさらに話は変わります。
複数の資料によると、インターナショナルスクールの年間授業料の相場は150〜300万円程度。東京都内は200〜250万円が中心で、施設費や教材費、スクールバス代などを加えると、年間の総負担はさらに数十万円上乗せされるのが一般的です。
仮に年間200万円で12年通ったとすると、インターだけで2,400万円。幼稚園からプリスクールに通わせる家庭も多いので、15年ならさらに積み上がります。
公立と比べると、5倍近い差が出ることもあります。「うちはちょっと無理かも」と感じるのが自然な金額だと思います。
なぜインターはこんなに学費が高いのか
ここで一歩立ち止まって、「なぜ高いのか」を整理しておきます。理由がわかると、「高いけど納得感がある部分」と「ここは自分の家庭には関係ないかも」という線引きができるようになります。
インターが高額になる主な理由は以下のとおりです。
- 一条校ではない学校が多く、国や自治体からの公的支援が少ない
- 国際バカロレア(IB)やケンブリッジ式など、独自のカリキュラム開発・運用にコストがかかる
- 英語ネイティブの教員を世界中から採用しているため人件費が高い
- 多国籍の生徒を対象にしているため、政治・経済情勢で志願者数が変動しやすく、運営リスクが価格に反映される
「一条校」というのは、学校教育法第1条で定められた正式な学校のこと。小学校・中学校・高校・大学などがこれにあたります。日本のインターの多くは一条校ではなく、「各種学校」または「無認可校」に分類されます。
公立小中学校が無償なのは税金で支えられているからで、一条校ではないインターにはその支援が届きにくい。つまり、インターの学費は「教育そのものが高い」というより、「公的支援なしで運営する学校のフルコスト」が保護者に乗っているイメージに近いです。
ここを理解しておくと、「高いのにはちゃんと理由がある」と冷静に見られるようになります。
でも「インターに行かせなきゃ」と焦らなくていい3つの理由
ここからが本題です。
SNSや雑誌で「これからはインター」「公立じゃ遅れる」という声が強く聞こえてくる時期ですが、数字と制度をきちんと見ていくと、焦る必要はないと感じています。理由は3つあります。
理由①:新しいインターは「進路の実績」がまだない
日本ではここ数年、新しいインターの開校ラッシュが続いています。2023年に岩手県にハロウ・インターナショナルスクール安比ジャパンが開校し、千葉県にはラグビースクールジャパンが設立されるなど、名門校の日本校が次々に登場しました。
ただ、ここで冷静に考えたいのが「その学校から、実際にどこの大学に、どんな進路で進んだ子がいるのか」という実績です。
横浜インターナショナルスクールのような100年近い歴史のある老舗校は、卒業生の進路データが蓄積されています。でも、開校したばかりの学校はまだ第一期生が卒業していないケースもあり、進路の実績はこれから作られていく段階です。
「ブランド名が有名だから」「英国の伝統校だから」というだけで決めるのは、少し慎重になってもいいと思います。学校のパンフレットは未来のことを書いていますが、進路実績は過去のデータで判断したい部分です。
理由②:公立でも2020年から英語教育は始まっている
「英語力をつけさせたいからインター」と考える家庭は多いのですが、2020年度から小学校3・4年生で外国語活動が、5・6年生で教科としての英語が始まっています。中学受験では英語を選択できる学校も増えてきました。
もちろんインターの英語環境とは質も量もまったく違います。ただ、「公立に行かせたら英語がまったくできない」ということはない時代に入っています。
大切なのは、インターに行かせるかどうかの二択ではなく、「わが家では英語にどれくらい時間とお金を使うか」を決めること。公立+英語教室、公立+オンライン英会話、インター…選択肢は連続したグラデーションの上にあります。
理由③:インターには「合う子・合わない子」がある
これはデメリットとしてもよく語られますが、実際にインターに通わせた家庭の声を聞くと、日本語力の壁にぶつかるケースは珍しくないようです。
家庭内で日本語を話していても、学校で日本語を使わない時間が長くなると、小学3〜4年生あたりで同学年の日本の子との日本語力の差がはっきり出てくる、という話をよく聞きます。漢字ドリルができないだけでなく、「給食当番」のような日本の学校の常識そのものがわからなくなってしまう、と。
将来は海外の大学、海外で働く——と明確に決まっている家庭ならそれでいいのですが、「とりあえず英語が話せたらいいな」という気持ちだけで入れると、日本語も英語も中途半端になってしまうリスクがあります。
インターは「振り切る覚悟」がある家庭に向いている教育、と整理しておくと判断しやすくなります。
わが家はどうする?判断の3ステップ
ここまでをふまえて、わが家にとってインターが合うかどうかを整理する3つの問いを置いておきます。
- 子どもの将来、日本で生きる比重と海外で生きる比重、どれくらいのイメージ?
- 家計で15年2,000万円超の学費を上乗せしても、老後資金・貯蓄・きょうだいの学費が揺らがない?
- 日本語力・日本文化の理解が薄くなるリスクを受け入れられる?
3つとも「はい」なら、インターは現実的な選択肢です。ひとつでも「うーん…」があれば、「公立+英語に時間とお金をかける」というハイブリッド型の方が、家計にも子どもの発達にもやさしいと思います。
ちなみに、わが家もこの問いで何度か立ち止まっています。結論はまだ出していませんが、焦って答えを出さなくていい、という姿勢そのものが大事だと思っています。
まとめ:数字を知ることは「選択肢を増やす」こと
インターの学費を調べて、最初は正直ひるみました。でも数字と制度をちゃんと見ていくと、「高い=すごい」でも「高い=行かせるべき」でもないことがわかってきます。
- 公立15年:約542万円
- 私立15年:約1,599万円
- インター12年:約2,400万円〜
この3つの数字は、どれが正解でどれが不正解という話ではありません。「わが家はどこに、いつ、いくら使うか」を決めるための材料です。
「わが家の収入で15年払い続けられるか」「老後資金は大丈夫か」「きょうだいの学費も含めてどう配分するか」——こうした長期のお金の設計は、プロと一緒に整理すると見通しがクリアになります。
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次回は、「インターに行かせるか、公立+英語教室か」を年間コストと英語時間の両面から比較する記事を書く予定です。わが家の時給と教育方針を入れると、どちらが合っているかが計算できる試算シートも用意します。
あくまで試算であり、学校や家庭によって金額は大きく変わります。ご家庭の状況にあわせて参考程度にご覧ください。
さらに深く検討したい方へ
この記事では、「インター・公立・私立」3つの選択肢の総額を15年間で比較しました。
ただし、実際にインター検討を進めていくと、もう一段階深い疑問にぶつかります。
「老舗のインターと、新設のインターは、何が違うのか?」
「子どもが2人いる場合、本当に15年間払い続けられるのか?」
「説明会でもらったパンフレット、どこまで信じていいのか?」
これらに答えるために、別途noteで「老舗インターは無理に高校まで一貫しない|2歳・4歳の母が見抜いた『商売としてのインター』の構造」という、約24,000字の徹底レポートを公開しています。
都内主要12校のカリキュラム比較、説明会で見抜くべき4つのフィルター、15年家計シミュレーション、記入式PDFチェックシート3種を含めた完全版です。
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判断材料を本気で整えたい方は、ぜひお手元に置いてみてください。
参考資料(一次ソース):
- 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
- 文部科学省IB教育推進コンソーシアム
- 学校教育法 第1条・第134条
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